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サウスアンプトン(Southampton)からワイト島(Isle of Wight)への旅

英国の保存鉄道を探して 2

旅行者:中西明子さん
 
3. オズボーン・ハウス
道中で、かつてビクトリア女王の別荘だったオズボーン・ハウスに立ち寄った。敷地は広大で、短時間で見てまわるなど、とてもできそうにない。それでも邸内の美術品や調度品、女王の最後をむかえた間など、貴重なものを目にするたびに時間を忘れてしまう。テラスの外からはオズボーン湾が見渡たすことができ、折しも大型船が海へ向けて遠ざかるところだった。

本来の目的地である保存鉄道はまだ先にある。気を取りなおして、バス停から保存鉄道の駅を目指した。
4. ニューポート
島を南下するごとに次第に景色はひなびていく。住宅地はとうに切れて、ロールにまかれた牧草の点在するなだらかな丘陵が続いている。降りねばならない道路の分岐点などすっかり見過ごして、島の中心部ニューポートまで来てしまった。

目的のウートンやハーベン・ストリートよりは大分西に来てしまい、余裕で着くはずがとんだ遠回りになった。幸いなことに、道路がニューポートを起点に縦横へ伸びている。ターミナルには各方面へ向かうバスが停車している。その中からハーベン・ストリート駅の近くを通るバスを見つけて乗り込んだ。
5. ハーベン・ストリート駅
今度は降りる場所を見過ごすわけにはいかない。日はそろそろ西に傾きつつある。丘も次第に夕暮れに染まり始めた。眺めていたいがここは我慢をして、道路沿いにある地名の標識を目で追った。

目的地が近づくと、チャイムを押してただちに下車する。急ぐ気持ちが自然と駆け足になった。間口の広い民家の横を抜けると先にはゲートがあり、一見すると人の家の玄関口のようだが、紛れもなくハーベン・ストリート駅の入口だった。すぐ向こうには青天井のホームがみえる。タールの匂いと吐き出すような蒸気の音にSLの存在を期待する。

車庫の前には、今日の運行を終えたばかりの蒸気機関車が2台、ボランティアと思われる少年や男性たちによって整備を受けていた。よく磨かれた車体は深いグリーンとエンジの色。まるでおもちゃのような愛らしい印象を受ける。ところどころに赤をあしらい、見ればホームに停車している客車と同じ配色だ。さり気ないが、この土地の洗練された感覚とSLへの愛着をかいま見た思いである。

このワイト島・スチーム・レイルウェイは、旧ライド・アンド・ニューポート鉄道の一部を継承し、1971 年からは主にボランティアの人たちによって運行されている。構内のショップに入ると、ハガキや保存鉄道の写真、模型などの展示に並び、その横にはボランティアメンバーを募るチラシが置いてある。これが日本ならば、すぐにでも参加用紙に記入しているところだ。

イギリスには、歴史をものがたる貴重な鉄道が実際に各地を走りながら数多く保存されている。そのひとつワイト島のスティーーム・レイルウエイも、ボランティアの尽力で運行され守られていたことを知り、改めて鉄道との関わり方を学ぶ思いがした。












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