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シリーズ まるごと食べる!イギリス
Vol.2 ソーセージ・テイスティング
シフィールドファームの好意によりソーセージ14種の入手に成功した筆者は、その日のうちに友人を招いてソーセージパーティを開くことにした。(なにしろ、冷蔵庫に入りきらない量のソーセージだったのだ!)

突然の企画にもかかわらず計10人の日本人が集合したので、『イギリスのソーセージ VS 日本人の舌』と題して、14種類のソーセージをブラインド・テイスティング(どの種類のソーセージかわからない状態での味見)することとなった。そして、テイスティング後には「おいしい」「まあまあ」「あまりおいしくない」の3段階で評価を行った。

今回テイスティングした14種類は以下の通り。テイスティングは1種類ずつフライパンで焼いたものを味見する形で実施された。

 シフィールドファームのソーセージ14種
  1.  カンバーランドスタイルのイノシシ肉ソーセージ
  2.  トラディショナル・カンバーランド・ソーセージ(地ブタ)
  3.  キアンティ・ワインとエシャロット入りイノシシ肉ソーセージ
  4.  リンゴ入りイノシシ肉のソーセージ
  5.  ニューフォレスト産リンゴとリンゴ酒入り地ブタのソーセージ
  6.  ミント入りラム(子羊肉)のソーセージ
  7.  スコットランド産赤シカ肉のソーセージ
  8.  スコットランド産赤シカ肉と野生キジ肉入りのソーセージ
  9.  地ブタのチポラータ風スパイシー・イタリアン・ソーセージ
 10.  地ブタのプレイン・ソーセージ
 11.  ポルトガル風チェリソー・ソーセージ
 12.  トラディショナル低脂肪ソーセージ
 13.  モロッコ風スパイシーなラムのソーセージ
 14.  シシリア風イタリアン・ソーセージ

  ソーセージ饗宴の後に
約2時間半におよぶ饗宴が終了したとき、パネル全体に漂っていたのは「イギリスのソーセージも意外とおいしいではないか」という、かなりポジティブなムードだった。主催者の筆者としては面目を保った形となり、ほっと一息であった。

パネルによる評価の結果を報告する前に以下のことを断っておきたい。今回のテイスティングでは味見の条件や評価の方法など厳密に統制されたものではなかった。(何しろ計画性もなく、突然考えついたイベントだったのだから!)また、10人から成るパネル中(あまりのソーセージ攻めに)中途棄権者が1名出現した。

したがって、ここで言及する評価の結果は、筆者を含む英国在住日本人10名の「シフィールドファームのソーセージに対する感想」、あるいは「独断と偏見に基づく意見」にすぎないことをお断りしておきたい。

さて評価の結果、もっとも得点が高かったのは「1.カンバーランドスタイルのイノシシ肉ソーセージ」であった。それに「2.トラディショナル・カンバーランド・ソーセージ(地ブタ)」が続き、「8.スコットランド産赤シカ肉と野生キジ肉入りのソーセージ」と「9.地ブタのチポラータ風スパイシー・イタリアン・ソーセージ」も高得点を得た。

逆に得点が低かったのは、「13.モロッコ風スパイシーなラムのソーセージ」と「6.ミント入りラムのソーセージ」で、ラムの人気の低さが目立つ形となった。

イノシシ・地ブタともにカンバーランド・ソーセージが高く評価されていたのは、さすがシフィールドの本領発揮といえる。シフィールドファームが正真正銘カンバーランドに根を張った農場で、昔ながらのカンバーランドレシピを用いてソーセージ作りをしていることを考えれば、当然の結果かもしれないが。いずれにせよ、本物のカンバーランド・ソーセージは日本人の舌にとってもおいしく感じられる、というのが結論だろう。

ラムの不人気に関しては、子羊肉自体に匂いなどクセがあり、日本人にはなじみが薄いものである、ということが結果として表れたのかもしれない。しかし筆者個人としては、ミントやモロッコのスパイスなど香辛料を効かせた味付けであったのにもかかわらず、口に入れた瞬間に「これはラムだ」とわかる臭みがあったように思える。カンバーランドスタイルの調和のとれたおいしさに比べると、シフィールドファームのラムに対するアプローチは残念ながらいまひとつ…といったところか。

イノシシと地ブタを比べてみると、全体的にイノシシに軍配が上がったようだ。パネルメンバーたちのコメントから拾ってみると、イノシシの方が「身がしまっている」「くどくはないがコクがある」という印象だ。

また興味深いのは、シカやキジなどいわゆる game と呼ばれる野生の獣の肉を使ったソーセージの評価が意外に高かったことだ。スコットランド産赤シカの肉は牛肉よりも脂肪分が少なくさっぱりしている。臭みもなく、日本人にも好まれそうな味だ。キジのほうは、地ブタやシカに加えて20から30%ほど混ぜられた形だったので、ほのかに野性味が感じられるくらいのアクセントにとどまり、それがよい評価につながったのかもしれない。キジなど野生の鳥を食べつけない日本人には、こういったソーセージから試してみるのも一策か。

以上、シフィールドファームのソーセージ14種類をテイストした感想をまとめてみたが、つまるところ、イギリスの本物手作りソーセージはかなりおいしい!いつもはスーパーのパック入りソーセージという人も、ときには昔ながらの地元の肉屋をのぞいて試してみよう。また、イギリスには短期滞在で生のソーセージを買って調理することができないという人は、ソーセージにとことんこだわりを持つソーセージ・アンド・マッシュ専門のレストランで異なるソーセージを試すことができる。