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  ホーム食・料理イギリスの料理・食材まるごと食べる!>vol.2 レストランにて

 
  試してみたいイギリスの代表的な家庭料理とスーパーマーケットで手に入る食材/既成食品

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シリーズ まるごと食べる!イギリス
Vol.2 究極のソーセージ・アンド・マッシュのレストラン
ソーセージ・アンド・マッシュ・カフェ(Sausage and Mash Cafe)英国人がいかにソーセージ・アンド・マッシュ好きであるか…このレストランに行けば一目瞭然!その名もソーセージ・アンド・マッシュ・カフェ(Sausage and Mash Cafe)、通称S & M Cafe だ。

英語には Comfort food という表現がある。直訳すると「癒しの食べ物」。子どものころに食べていた料理とか、しっかりとした満腹感が得られる料理とか、ともかく食べるとホッとして心が安らぐ、あるいは元気がでるような料理のことを指すことばだ。

S & M カフェは、まさにこのComfort food をアットホームな空間で味わうことができるレストラン。小さいながら温かみのあるデコレーションの店内は、お腹をすかせたロンドンっ子たちでいつも溢れている。

メニューには、9種類のソーセージ、4種類のマッシュ、3種類のグレービーがのっていて、これらを自由に組み合わせて好みのソーセージ・アンド・マッシュを注文することができる。

今回メニューにあったのは…

  ソーセージ
1.  ロンドン・トラディショナル(S & M 特製の軽めの味付けのソーセージ)
2.  サマーセット(リンゴで有名な Somerset 地方のリンゴとリンゴ酒入り)
3.  カンバーランド(180年前から受け継がれているレシピで、たっぷりのハーブ、玉ねぎ、少量の糖蜜が隠し味。)
4.  ローズマリー入りの羊肉ソーセージ
5.  トマト入りチキン・ソーセージ
6.  S & M 特製オーガニック・ソーセージ
7.  鹿肉ソーセージ(赤ワイン、セージ、ニンニク、マッシュルーム入り)
8.  ベジタリアン・グラモーガン(Glamorgan 地方のチーズとポロネギ入りのベジ・ソーセージ)
9.  ベジタリアン・スパイシー・ソーセージ(トウガラシなどたくさんのスパイスで味付けしたベジ・ソーセージ)

  マッシュ
1.  トラディショナル S &M (クリーミーな食感で数あるジャガイモの中でももっともマッシュに向くといわれるマリス・パイパー・ポテトを用いて、バターとクリームで仕上げる秘密のレシピ)
2.  ヴァージン(バターとクリームの代わりにオリーブオイルを用い、黒コショウを効かせたヘルシーなマッシュ)
3.  チェダーチーズ&ローズマリー(バターとクリームの代わりにチェダーチーズとローズマリーを加えたもの)
4.  バブル & スクイーク(トラディショナルにグリンピースとキャベツを加えたもの)

  グレービー
1.  ハウス・グレービー(肉汁に玉ねぎと赤ワインを加えた特製グレービー)
2.  ポート・グレービー(ポートワインを効かせたグレービー)
3.  トマト&バジリコ・グレービー(トマトの甘みが生きているさわやかグレービー)

さらにこの日は、日替わりスペシャル・ソーセージとして、ホウレンソウ入りソーセージ、イタリア風ソーセージ、マッシュルーム&タラゴン入りベジタリアン・ソーセージの3種が用意されていた。

客の大部分は、これら計12種のソーセージの中から2あるいは3種類を選んで、好みのマッシュとグレービーを合わせて Mix & Mash として注文している。値段の方は、ソーセージ2種類のMix & Mash で6.95ポンド、3種類の場合は7.95ポンドで、かなりお得。昨今のヘルシー志向に合わせてだろう、2種類のソーセージにマッシュではなくミックスサラダを組み合わせるメニューHealthy Food(5.95ポンド)もある。

今回筆者とカメラマンが試したのは、1,3,4,5,6、の5種類のソーセージに、トラディショナルマッシュ+トマト&バジリコ・グレービー、チェダーチーズ&ローズマリー・マッシュ+ハウス・グレービー。そしてサイドの野菜としてのマッシィピーズをオーダーした。

ソーセージはどれもあっさりめで美味。表面は少し焦げ目がついて香ばしい。皮はパリッとした食感を保っているが、中身はジューシー。ほどよく脂肪分が混じった肉汁がマッシュのクリーミーさを引き立てる。

マッシュについては、どちらも文句なしにうまい!とろけるようにクリーミーだが決してくどくはなく、ソーセージの相棒としては100点満点。主役を引き立てながらも、さりげなく自分の個性も見せる名脇役といったできばえ。この分だと「バターもクリームも抜きのマッシュなんて!」と今回は避けたオリーブオイル入りのヴァージンマッシュなども、かなりイケルのかもしれない(次回は是非試すとしよう!)。

ハウス・グレービーは M & S 自慢のレシピだけあって、天下一品の味。グレービーだけを味見すると、かなり控えめな味で少し物足りないような気もするが、実はこれがミソ。ソーセージ・アンド・マッシュにおけるグレービーの役割は、主役(ソーセージ)と脇役(マッシュ)の間を取り持つこと。(と、少なくとも筆者は信じている!)すなわち、ソーセージの自己主張を邪魔することなしに、淡白なマッシュに深みを与え、全体としてのバランスを整えるのだ。M& S のハウス・グレービーはこの役割を過不足なく、ほぼ完璧に果たしているとみた!

しかし、もう一方のトマト & バジリコのグレービーの方は、残念ながら物足りない味だった。トマトの酸味がソーセージに爽やかさを加えているものの、平坦な味という印象だ。マッシュとの相性もいまひとつ、というのが正直な感想。

ここで不思議だったのは、まわりのイギリス人たちのほとんどは、グレービーが十分な味のアクセントになっているのにもかかわらず、さらにテーブルに置いてある瓶のマスタードをたっぷりつけてソーセージを食べていることだ。焼いたソーセージに辛いイングリッシュ・マスタードをつけると非常においしい、という事実は確かに認めよう。しかし、ソーセージ・アンド・マッシュを食べる場合は、3役(ソーセージ、マッシュ、グレービー)を純粋に楽しみたい、と思うのは筆者だけだろうか?

何はともあれ、居心地のいいComfortな空間で、質の高いComfort foodを食べさせてくれるこのM & S Cafe は、イギリスらしい味を堪能したい人には是非訪れてもらいたいレストランだ。水色の鮮やかなペイントの外観と赤いチェックのテーブルクロスが演出する、どことなく懐かしい雰囲気が漂う店内で、好みのソーセージとマッシュを選び、是非ハウス・グレービーを合わせて注文してみてほしい。3役の奏でる究極のメロディーに、心もお腹も大満足すること請け合いだ。

Sausage and Mash Cafe
48 Brushfield Street
London E1 6AG
020 7247 2252