食べるイギリス ソーセージ・アンド・マッシュ イギリス名物を食べる
ソーセージ, マッシュポテト, グレービー, イギリス, 料理, カンブリア, レストラン
イギリス各地には自慢のソーセージが存在するが、その中でも最も知られているのはカンバーランド・ソーセージ。
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シリーズ まるごと食べる!イギリス
Vol.2 イギリスのソーセージ
ヨーロッパ大陸から伝わったソーセージは、イギリスの風土や習慣の中で変化を遂げ、独特の食感と味を持つものとなっていった。ドイツに代表されるヨーロッパ大陸各国のソーセージには、いかにも肉を食べていると感じさせるしっかりとした歯ごたえがある。それに対して、イギリスのソーセージは、むしろ柔らかく、ソフトな食感が特徴的だ。というのはパン粉などの混ぜ物、ハーブや香辛料の割合が大きいからだ。肉そのものを味わうというよりは、色々な素材の組み合わせとバランスが鍵になっている。
イギリス各地には自慢のソーセージが存在するが、その中でも最も知られているのはカンバーランド・ソーセージ (Cumberland Sausage) だろう。カンバーランドは英国の北西部、湖水地方およびカンブリア地方を指す。この地方では、昔からイノシシや豚・羊などの家畜飼育が盛んで、その食肉を利用したソーセージやベーコン、ハムなどの生産で知られる。
数百年の歴史を持つカンバーランド・ソーセージ。もともとは各家庭や農場で飼っていた豚を毎年屠殺する際に、冬越し用の保存食として製造された。そのレシピは各家庭で千差万別というが、基本的には豚肉にセージやチャイブを中心としたハーブを加えるもの。同地方で狩猟シーズンに獲れる鹿やキジの肉が混ぜられることもあるという。
残念ながら現在では、専門業者や精肉業者による大量生産が主になってしまったカンバーランド・ソーセージだが、依然イギリスを代表するソーセージとして、湖水地方はもとより、ロンドンなど大都市でも多くの英国人に好まれている。
今でも受け継がれているカンバーランド・ソーセージの特色は、ケーシングと呼ばれる「皮」に詰めた後、個別の小さなソーセージを作るために、一定の長さでケーシングをひねったり結んだりせずに、長いまま(全長50cm以上)で売られること。これはもともとカンバーランドではソーセージが目方ではなく、「1ヤード(約91センチ)でいくら」と長さで売られていたのに由来する。イギリスの肉屋で蛇がとぐろを巻くようにして長いままで売られているソーセージを見たら、まさしくそれはカンバーランド・ソーセージである。