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  スコッチ、ロンドンジン、ギネス、サイダーなどイギリスで親しまれているアルコールを紹介

  英国で楽しむアルコール
>>  その1 スコッチ
 1.  スコッチとは
  スコッチのブランド
  スコッチの楽しみ方
>>  その2 ギネス
>>  その3 その他いろいろ
英国で楽しむアルコール
- スコッチとは -
スコッチとはスコットランドで蒸留されるウイスキーの代名詞。スコットランド特有の北の海岸性の冷涼な気候と良質な水、バーレー(Barley)が絶妙に絡み合って初めて成り立つものだ。スコットランドの法律では、スコッチ・ウイスキーは「大麦麦芽の酵素により糖化させた穀類の液をスコットランド内で蒸留し、木製の樽で最低3年間、保税倉庫で熟成したもの」と定義されており、アメリカやアイルランドで醸造されたものはスコッチとは呼ばない。伝統的に、スコットランドのローランド(Lawland)、ハイランド(Highland)、スコットランド西海岸沖に浮かぶアイラ(アイレイ)(Islay)、アイランド(Island)、キャンプベルタウン(Campbeltown)の各地域がスコッチ蒸留の主要地域である。なかでもハイランドにあるスペイサイド(Speyside)地区は、スコッチ・モルト・ウイスキー蒸留所の半数が集中する銘醸地として知られる。

< 蒸留の流れ >
◇  製麦Malting → 糖化Mashing → 発酵Fermentation → 蒸留Distillation →熟成Maturation
◇  ウイスキーづくりは8〜9月にはじまり、翌5〜6月まで作業が続く。7月前後のサマータイムは休みの時期なのでサイレント・シーズンとも呼ばれる。

 スコッチ・ウイスキーの成り立ち
ウイスキーWhiskyは、もともとスコットランド民族により話されるゲール語のuisge(ウシュクまたはウースカ)から派生した言葉。uisge は uisge beatha ウシュク・ベーハーの略語で、英語で water of life、ラテン語で aqua vitae アクア・ヴィテ、つまり「命の水」という意味だ。

世間一般にウイスキーという言葉が使われ始めたのは意外に遅く、18世紀に入ってからのことだが、ウイスキーそのものは紀元5世紀初頭、聖パトリックが大陸からもたらしたと伝えられる。12世紀にアイルランドで初めて蒸留され、15世紀末にはスコットランドでかなりの量の取引があったことが記録されている。16世紀にはウイスキー蒸留所のギルドが組まれるまでになり、多くは家庭的規模で蒸留され、地域経済の基盤であった。

18世紀以降、蒸留所は政府が打ち出す麦芽税といった重税の負担を避けるため、蒸留方法を変えるなど技術的な試行錯誤を重ねていった。これが結果として今日にみられるモルト・ウイスキーの原型をなしていく。典型的な例としては、18世紀後半に法律上で小規模の蒸留釜が認められず、正規にウイスキーづくりができなくなったとき、小規模蒸留所の経営者の多くはハイランド地方の山奥に蒸留所を移して密造を始めた。彼らは山奥にあるピートと呼ばれる泥炭を、麦芽を乾燥させるための燃料として利用し、これが思いがけずウイスキーに独特の香りを与えるきっかけとなった。彼らはさらに税吏官の目をごまかすため、ウイスキーをシェリー樽に入れて密かに保存した。これによってウイスキーがシェリー樽の中で熟成され、まろやかな味わいと琥珀色を帯びるようになった。いまにみられるスコッチがこの密造時代なくしてはありえないといわれるのは、こうした背景による。

19世紀にはいってからモルト・ウイスキーの生産が産業として隆盛し始め、以後、産業革命を経たあとも、ウイスキーはスコッツ民族の「命の水」として、ブリテン全体の経済基盤のひとつになるまで成長していった。そして今日まで、スコッチはスコッツ民族の気骨と誇りといったアイデンティティと文化を色濃く反映しつつ、歴史、社会、そして経済的に、スコットランドの生命線として欠かせないものとなっている。