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Corn Flakes / コーンフレークス

イギリスの朝食はと聞くと、今までにホテルに泊まったことのある人はとっさにFull English Breakfastを思い浮かべるだろう。コーヒーか紅茶、ジュース、シリアル、ヨーグルト、トースト、ベーコン、卵料理、ベイクドビーンズ、マッシュルーム、焼いたトマト等々。しかし、これはあくまでホテルのサービスの内容に過ぎない。かつて一日二食が基本だった時代の朝食を再現して、一日の始まりを優雅に迎える趣向のためであり、ランチに軽いサンドイッチを取るようになった現在は、普通のイギリス家庭の朝食と言うとコーヒーか紅茶に薄いトーストかシリアルという簡単なものである。最も近頃は何も食べずにコーヒーのみというパターンも少なくないらしい。

このシリアルという商品、日本ではまだ根付いてはいないが、英国ではスーパーマーケットで棚一連占領する程の重要商品となっている。今回はそのうち基本中の基本、コーンフレークスに焦点を当ててみた。初めてコーンフレークスを発明したのは有名なメーカーの名前になっているW.K.Kellogg氏である。気になるのは彼の出身地だが、意外にもイギリスではなくアメリカのミシガン州であり、彼は兄弟が経営していたThe Battle Creek Sanitarium(略Sun)というキリスト再臨論者の病院/スパでビジネスマネージャーとして働いていた。尚、この機関では、ケアの一環として裕福な患者たちに健康作りの方法も提供していた。ケロッグ氏は人間の体を健康に保つために必要なのは朝食であると論じ、仕事の傍ら、栄養的にも味覚的にも満たしてある食事を研究していた。そして試行錯誤の結果1898年に彼の条件を満たすコーンフレークと言う産物を発見した。勿論現在のそれとは程遠いものではあったが早速Sunにて供給してみたところ、多くの患者から退院後も常食したいとの問い合わせが続いた。このことからケロッグ氏がコーンフレークを製品化するため工場を建てたのが全ての始まりだった。

じきに、イギリスにも紹介され、1936年にはマンチェスターに最初の工場が建てられてからは、徐々にイギリスの朝食の仲間入りとなった。その後はあらゆる種類を開発し、その数は40数種類にもなる。この様に、コーンフレークスは完全に健康食品として開発されたことがわかる。前述の通りケロッグ氏の見解は正しく、現在多くの栄養士、食品研究者たちは人間の健康状態を保つためには朝食が不可欠であると説き、せめてものフルーツとシリアルの朝食を取る様に推奨している。果たしてそれだけ価値があるのかどうかはコーンフレークスの箱の横に記載された栄養所要量の表を確認して欲しい。これによると朝食にコーンフレークスを30g取るだけで人間の平均一日所要栄養量の三分の一が確実に取れることがわかる。これは海草食品や焼き魚のカルシウム、ミネラルから縁遠くなっている英国滞在者にとっても貴重な数値である。

これら栄養的意義を受けて、今ではイギリス国内で大手スーパーマーケットが自社製品のコーンフレークスを開発している。追いつけケロッグ、追い越せケロッグなのか、それぞれの栄養素の含有量は製品によりケロッグ社を上回るものもある。そこで、それでは味覚的にはどれほどなものか今回味比べの対象となった。結果としては、経済的な志向を考慮して各スーパーマーケットの自社製品の中でもエコノミーとノーマルの両方を用意していたが、一度ノーマルを口にするとエコノミーのものは食べられない程、味が大きく違った。栄養学的に見るとエコノミーはノーマルに比べカロリーが少し多め、ビタミンも一部含有量が大きく落ちる。ノーマルのみで比べるとSt.Michaelのものは栄養含有量が他と比べてかなり少ない。他のスーパーマーケット製品は揃ってケロッグよりもビタミン含有量が多く鉄分は二倍以上の数値を飾り、ビタミンDさえ含んでいることを強調している。

当然砂糖なしのものを考慮に入れたが、これからコーンフレークスを朝食に取り入れようにも飽きてしまいそうだという方には、種類の違うシリアルを四分の一程ミックスすることをお勧めしたい。参考までにお勧めどころはAlpenのMuesli(ミューズリーは製品によって味が大きく変わるので安いものには注意)、KelloggsのCrunchy Nut(食感はかなり似ているが基本の栄養量は同じ。但し糖分は多い。)、JordansのCountry Crisp。(Crunchy Cerealものは他のメーカーでもいろいろあり、一般的にどれも美味しいので試しやすい。これも甘めだが食感が随分違うので飽きが来にくい)ノーマル製品同士での味の差は大きく違わない。結局は人の好みと言ってしまえばそれまでだが、自分の味覚に遭わない製品を購入していた場合はこれを参考に違う商品を試してみて欲しい。それではミルクをたっぷりかけて、硬過ぎず、柔らか過ぎずの頃合を狙って口に運んで、「いただきます!」。

Standard Variety

 Kelloggs
 価格:£    ☆☆
コーンフレークスの定番。かりっとした腰のある歯ざわり、なじみのある味。微妙に塩味が感じられる。
 Sainsburys
 価格:£    ☆☆☆
割合と大粒で、パリパリしており、ランクが上のものの中では一番甘味とこうばしさを感じる。ミルクとの相性もかなりいい。
 Safeway
 価格:£    ☆☆
これは意見が分かれた。人により一番美味しいと言うものと他と比べたらあまりと言うものとまとまらなかった。
 Tesco
 価格:£    ☆☆
味わいが深く、しっかりしている。歯ごたえも良くそのものを食べる場合は一番味がいいと意見がまとまったがミルクが加わると若干評価が下がった。
 Somerfield
 価格:£    ☆☆☆
口当たり軽くポリポリという歯ざわりがする。安売り店のKwik Save自社商品のものではあるが、味は可もなく不可もなく、くせがないので食べやすい。
 
 St.Michael
 価格:£    ☆☆
見た目、小粒で軽い感じがする。ブランドM & S自社製品なだけに上品な印象で、カリカリと言うよりはサクサクした感じ。薄めの作りのため、ミルクをかけると早めに食べた方がいい。

Economy

 Economy Safeway
 価格:£    ☆
エコノミーの中では一番質がいいと評価された。味の違いは否めないが通常製品と同じ位の歯ざわりはする。吸水性がよく、ミルクを加えると甘味がはっきり出る。しかし、脂肪分はノーマルのセーフエイ商品の倍ある。
 Economy Somerfield
 価格:£    ☆
エコノミーの中ではセーフエイほど通常製品に近くはないが、常食の対象にはなりえる。とうもろこしなのか何なのか強く感じる味があり、そこそこの出来である。
 Economy Sainsburys
 価格:£    
もう見た目から全く違う。色は薄く味は粉の味の様。どうしてSainsburysが??と、首を傾げるしかない。
 Economy Tesco
 価格:£    
これもセンズベリーに変わらず。まだいいとは言えるものの、倍額を出してでも通常製品の方がいい。ミルクであっという間にしなびる。
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