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イギリスのショッピングストリートには、『ハイストリートショップ』と呼ばれるイギリスを代表する店が軒を連ねる。『アン・サマーズ』はそんなハイストリートショップのひとつ。しかし驚くべきことに、この店は女性のためのセックス・トイ
ショップなのである。 |
この『アン・サマーズ』は、1972年にデイビッドとラルフ・ゴールドという兄弟が立ち上げ、そのちょっと「裏」的なビジネス内容から地味な経営を行なっていた。しかし1979年にデイビッドの娘、ジャクリーン・ゴールドが経営に参加し、急成長を始める。わずか21歳のジャクリーンは「女性のセックスへの興味」という市場のニーズを見抜き、斬新なアイデアを次々に繰り出したのだ。それが大いにうけて、たちまち『アン・サマーズ』はイギリスのトップ企業となっていった。
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そのビジネスの成功の秘訣は、なんといっても「お洒落」と「カジュアル」なイメージ作りにある。様々なモラルが180度転回した60年代を経た70年代のイギリスでも、「セックス」はまだまだ秘かに語られるべき要素の強いトピックだった。そんな暗いイメージはおかしいと提唱したのが『アン・サマーズ』。新しい経営陣の一人となったジャクリーンは「セックスは誰もが持っている人間の本能。それを楽しまない手はない」という考え方を示し、人間の本能だからこそ自然に語り合って、セックス・トイで最高の時を楽しめるようにと、ホームパーティのリラックスしたムードの中で、セクシーなランジェリーやカラフルなセックス・トイを実際に手にして買うことができるというシステムを開発したのだった。更に、彼女は全国のハイストリートにブティックのような外観の直営店を次々とオープンさせた。周りの店と並んでいても全く違和感のない店構えと優雅なディスプレイで、お客に「セックス・トイを買う」という気負いを全く感じさせない心配りが女性客を魅きつけている。 |
女性の間で話題のテレビ番組とのタイアップも、セックスを「お洒落でカジュアル」なものと啓蒙して売り上げをのばす秘訣だ。例えば、30代の4人の女性達の恋愛とセックスライフを赤裸々に語ったテレビドラマ「Sex
and City」で、『アン・サマーズ』の商品「ランパント・ラビット・バイブレーター」を取り上げたところ、放送日翌日には売り切れ続出になってしまった。イギリス女性のファッションリーダーとなったドラマの主人公達御用達のセックス・トイを使って、彼女達のようにスタイリッシュな恋愛生活を楽しみたいという女性の変身願望を利用した戦略が当たった結果だ。
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今やゴールデンタイムのテレビドラマでもセックスシーンは当然のように流され、女性誌では毎月のようにセックスのテクニックなどが語られているイギリス。こんなイギリス女性達のオープンなセックス観を改革してきた『アン・サマーズ』のイギリスセックス文化への貢献度ははかりしれない。 |