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紅茶の醍醐味(1)
The Bramah Museum of Tea & Coffeeを訪ねて

ブラマー・紅茶・コーヒー博物館は、長年にわたって紅茶とコーヒービジネスの現場で働いた経験を持つエドワード・ブラマー氏が、豊富な知識をもとに、その情熱の集大成として開いたもの。展示品のひとつひとつ、丁寧かつ簡潔な展示内容全てにブラマー氏の紅茶、コーヒーに対する愛情を感じることができます。今回は特に、英国の紅茶についてお話を伺いました。
「まず、お茶を一杯飲みましょう。」
挨拶もそこそこに、まずブラマー氏はそう言って、紅茶を差し出してくれました。この博物館には居心地の良いティールームが併設されており、周りを見渡すと皆さんゆっくりお茶を飲む時間を楽しんでいる様子。壁にはお茶にまつわる昔の看板などがかかり、イギリスに昔からあるティーハウスの雰囲気の中、紅茶の世界に徐々に引き込まれていきます。

ブラマー氏の家族と紅茶との関わりは古く、ブラマー一族の中には、18世紀末に北東インドでの茶の栽培を薦めたジョゼフ・バンクス卿や、当時大変高価で貴重とされていた紅茶を保存する、ティーキャディーと呼ばれる鍵付きの木製の箱を作成したジョゼフ・ブラマーなどがいたそうです。

イギリスに紅茶が到着するまで人々に飲まれていたものは、コーヒーでした。街の“コーヒーハウス”は政治や文学の討論が行なわれる、男性のみが楽しめる女人禁制の場所でした。そこで、ひとたび“ティールーム”がオープンすると、女性たちはこぞって社交のためお茶を飲みに出かけるようになったのです。

その後、“ティーガーデン”の流行が起こります。ロンドンには一時80ものティーガーデンが存在し、そこでは子どもも大人も屋外で音楽と共に、お茶やお菓子を楽しむことができたのでした。お茶は家族で楽しむものへと発展していったのです。

「ティーガーデンにあるこのテントを見て下さい。どことなく日本の屋台に似ていると思いませんか? きっと日本からヒントをもらったと思うのです。」ブラマー氏の指差す当時のティーガーデンの絵画からは、お茶は楽しいものという考えが広く人々に受け入れられていったことが伝わってきます。

ブラマー氏は次々と、紅茶にまつわる意外なエピソードを披露してくれます。

「上流階級だけのものだった紅茶が一般大衆にまで広まったのは産業革命の頃。労働者たちは工場での長時間労働による疲れと、冬の厳しい寒さをしのぐため、紅茶にミルクと砂糖を加えて飲んだのです。このように紅茶は健康によく、仕事の能率をあげる飲み物として人気になったのです。」

イギリス人のミルク・ティー好きは、まさかこんなところからも始まっていたなんて! ブラマー氏のお話は、まだまだ続きます。


つづく >>>「紅茶の醍醐味(2)」