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イギリス靴の豆知識&キーワード解説 製法 素材 種類

 革靴の製法
靴の製法は、底付け方法の違いによって変わる。英国の伝統的靴はグッドイヤー・ウェルト式であることがほとんどだ。高額のものからグッドイヤー・ウェルトおよびマッケイ、モカシン、ステッチダウン、セメント、インジェクションという順番で覚えておくとわかりやすい。

グッドイヤー・ウェルト製法 Goodyear welt
19世紀半ばにチャールズ・グッドイヤー・ジュニア(Charles Goodyear Jr.)が開発した製法。すべて手作業の靴製造を半機械化した画期的な技術として世界に広まった。はきこむほどに足に靴がなじみ、フィット感が高い革靴製法の代表である。製造工程が多くコストもかかるので高級靴でのみに使われ、英国に見られる伝統的な靴も、この方法で作られていることが多い。細革(ウェルト)でアッパーとアウトソールが底縫い機で縫い付けられ、アッパーよりコバが張り出している。耐水性があり、疲れにくいがやや重い。ソール交換が何度でもできるので一生モノの一足に。
マッケイ製法 Mckay
ソールを接着して中底とソールを一緒に縫い付ける製法。グッドイヤー・ウェルト方式では出せないソフトな履き心地があり、コバの張り出しも少なくスマートな外観だ。部品点数が比較的すくなく、軽量で反りは良いが、耐水性や耐久性では劣る。イタリア靴によくみられる製法。
モカシン製法 Moccasin
古くからあるスタイル。アッパーとなる一枚の革をアウトソールに縫い合わせたもので、履いてすぐになじみフィット感があるカジュアルシューズの代表格。
ステッチダウン製法 Stitch down
アッパーを足の型に沿って外側に引き伸ばし、アウトソールに縫い付ける製法。コストが低く、軽量で屈曲に優れるためカジュアルな靴によく用いられる。
セメント/セメンテッド製法 Cemented
アッパーとアウトソールを接着剤のみで貼り付ける製法。縫い目がなく耐水性に優れ、コストも抑えられるが排湿性は低い。レディースシューズに多く使われる。
インジェクション製法 Injection
液状の熱可塑性の原料を型に入れアッパーに接着する製法。安く大量生産できる。ゴムブーツなどはこの製法で作られていることが多い。
 革靴によく使われる素材
サイドスキン Side skin 牛革。最もよく使われる素材
キップスキン Kip skin 最高級牛革。サイドスキンの高級なもの
カーフスキン Calf skin 生後間もない仔牛の革。靴用の素材としては最もきれい
ピッグスキン Pig skin 豚革。小さい毛穴が三角状に集まっている
キッド/ゴートスキン Kid/Goat skin 若い山羊の革。ゴートスキン
バックスキン Back skin 牡鹿革
ディアスキン Deer skin 雌鹿革
シープスキン Sheep skin 羊革
バッファローレザー Buffalo leather 水牛の革
カンガルースキン Kangaroo skin カンガルー革。オーストラリアから輸入
レプタイルレザー Reptile leather ワニなどの爬虫類の皮。牛革に型押しの場合も
オーストリッチレザー(ダチョウ) Ostrich leather ダチョウ革
 紳士革靴の種類
靴にはフォーマルからカジュアルまでさまざまなスタイルがある。シーンに応じて使い分けたい。

オペラ・パンプス Opera Pumps
タキシードとあわせて使うリボン付きのフォーマルなスリッポンで、エナメル素材のものが定番だ。ディレクターズスーツの場合にはストレート・チップを合わせるのがマナー。
ストレート・トゥ・キャップ(ストレート・チップ)
Straight Toe Cap(Straight Tip)
1920年代に広まったメダリオン(穴飾り)がない一文字飾りの靴。黒色のものが最もフォーマルとされる。最近はカジュアルに履いてもよくなってきた。
ウィング・チップWing Tip
W型のトゥ飾りが目印で、内羽根式はフル・ブローグ、外羽根式はダービー・フルブローグと呼ばれる。アイルランドやスコットランドの高地で履かれていた編み上げ靴に由来。
プレーン・トゥ Plain Toe
1810年代後半の陸軍のハーフブーツが原形で、ベーシックなスタイルのため応用がしやすいスタイル。今日では外羽根式のものが主流。
Uチップ U Tip
1930年代に登場した別名ノーウィージャン・オックスフォード。元々ゴルフ用で、一部の革の色が違うコンビネーション・モデルはゴルフ・オックスフォードとも呼ばれる。
モンク・ストラップ Monk Strap
15世紀頃にアルプス地方の修道士(モンク)が履いていたストラップ付靴が起源。ストラップが2つあるダブル・モンク・ストラップとともに英国では人気があるスタイル。
チャッカ・ブーツ Chukka Boot
ポロ競技用の乗馬靴から発祥したスタイル。丈はくるぶしまで、プレーン・トゥ、アイレットは2つか3つあるのが普通。
ローファー Loafer
モカシン縫いが起源で1920年代から英国でも一般に履かれるようになった。サドル部の穴にコインをはさむコイン(ペニー)・ローファーの名でおなじみ。
タッセル・シューズ Tassel Shoes
タッセルとはバンプ部分についた飾りのこと。かつては宮廷の室内履きだったというエレガントなシューズだ。
サドル・シューズ Saddle Shoes
横から見ると切り替えのデザインがあり馬の鞍(サドル)のように見えることからこの名称がついた。正式名称はサドル・オックスフォード。
バンプ Vamp
1950年代後半に流行した、飾りやひもがないスリッポン。
ホールカット Hole Cut
アッパーが一枚革でできているスタイル。別名ワンピース。