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イギリス人の停年は60歳から65歳。日本人ほど仕事を生活の中心に据える傾向のないイギリス人は、停年を迎えて「これからどうしよう」と途方に暮れる人は少ないようだ。
停年になる数年前から「停年後はこれをして、あれをして…」とワクワク胸を弾ませながらプランを練る人も多い。中には一年中天気の悪いイギリスを脱出して、南フランスやスペインなどでリタイア生活を送る人も。欧米諸国間の障壁が取り除かれつつある「EU」という枠組みの中で、イギリスのシニア世代は様々なリタイアプランを考えはじめている。
しかし、プラン通りに行かないのもまた人生。他の先進国の例に洩れず、イギリス人の平均寿命は年々伸びていて、男性は75歳前後、女性は80歳前後を記録している。そしてその平均寿命の伸びに合わせて、現在65歳以上のシニア人口は総人口の16パーセントに達している。
このようにシニア人口を多く抱えるイギリスが現在直面しているのは、日本と同様に、「年金、介護、老人ホーム」などの問題。毎日のようにニュースで流れるこれらの話題に、自分の長い間温めてきた「停年プラン」が実行不可能になりつつあることを予感したイギリス人の顔にかげりがみられることも多くなった。
しかし長年「揺り篭から墓場まで」のスローガンを標榜してきたイギリスのこと。多くの問題を抱えながらも、なんとかシニア人口のニーズに応えようというシステム改善と努力が行なわれている。
この特集では、そんな過渡期にあるイギリス・シニア世代の生活の模様をいろいろな角度から論じてみる。
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