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50、60代に入って仕事とはさようならをして、自分のやりたかったことをできる時間をもつ人は多いけれど、家族はシニアたちにとってはいつまでも大切な存在。息子、娘や孫たちと会うのを心待ちにしているのは、日本でも英国でも変わらない。離婚、再婚に踏み切った人たちは、ステップマザー(継母)やステップファーザー(義父)として、クリスマスを子供たちと過ごすことも多い。
といっても、そんな特別の場合を除けば、子供たちは自立、自活の道を歩んでいることが多いため、シニアたちは一人、もしくは二人で生活をするのが普通である。そんなシニアたちのお供としてよく登場するのがペットである。
イギリスで人気のペットといえば、何はともかく犬があげられるだろう。一本の道を歩けば、端から端まで通り過ぎる間に必ず1匹以上の犬プラス飼い主に出会う。彼らはとにかくよく散歩をする。シティに住んでいる人々の中には、飼い犬を車に乗せて郊外に連れ出し、緑の小高い丘に着いたらそこで放し飼いにして散歩させ、十分に楽しんだところでまた、車に乗せて連れ帰る人も少なくない。英国では室内でペットを飼うことが多いが、それでも今までに一度も、リボンを付けている犬は見かけても、飼い主とおそろいの服を着ている犬は見たことがない。愛情をたっぷり注ぐことには変わりないが、あくまでもペットはペット、その可愛がり方は日本と少し違うかもしれない。
そして、これまた愛情表現の違いなのか、英国では両親の自分の子供に対する評価が非常に高い。子供の前で堂々と褒める。「褒めて伸ばす」を基本姿勢としているだけあって、時にはこちらが気恥ずかしくなるほど褒めちぎる。それも主に結果を、ではなく、その過程を重視する。勿論結果がよいに越したことはないが、「どれほど頑張ったか」、これが重要なのである。そのような態度は、グランドマザー、グランドファーザーにだって見られるのだ。シニアの役割は子供たちにお小遣いをあげて、かわいがる、と考えられることはほとんどない。シニアも子供もひとりの自立した人間として関係を切り結ぶのが、よく見られる家族関係のようだ。
自立した人間、という意識が強いせいだろうか、特に日本で50代から話題になってくる「両親の世話問題」が、英国では必要以上に話題とされない。子供が「年老いた両親を心配しない」わけではもちろんなく、何かちょっとした事があるたびに「様子を見がてら親の家に立ち寄る」ことは、極々普通である。ただ、親には親の、子には子の生活があるのだから、というラインが既に存在している。
愛情はたっぷり注ぐけれども、あくまでも自分は自分、両親は両親、子供は子供、これだけは大切な家族にでも譲れない、という部分をしっかりと持った英国人。これがいくつになっても変わらない彼らのライフスタイルである。
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