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イギリスのミドルエイジ
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セイリングの夢
ディビッドさんの健康の秘訣は、どんなに忙しくても睡眠を8時間はとることだという。また、タバコを吸わず、飲酒もほどほど。食事は、地元のファームから購入したオーガニック食品が中心だ。スポーツも当然やっているだろうと思って尋ねると、照れくさそうに、ちょこっとだけね、という返事が。

「実は運動不足です。この2、3年はほとんどスポーツといったスポーツをしていません。退職する少し前になってやっと、地元のスポーツセンターのジムで体を鍛える決心をしました。また、新しく自転車を購入したので、これからはサイクリングを楽しもうと思っています。」

仕事と同じで、決断して実行するまでの時間は短い。退職して1週間もたたないうちに、20代にやっていたディンギー・セイリング(小型ヨット)の上級コースをギリシャで受講したとのこと。

「海が好きなんです。帆船を効果的に動かすのは、体力仕事であると同時に、海流や風の流れを読むだけの知識と、経験から来るカンが必要となってきます。今回、ギリシャで久しぶりにセイリングをやって、カンはそれほど狂っていなかったように思います。腹筋も使いましたが、頭で思っていることをこなすだけの動きはできました。ただ、一度だけ海に入って10分ほど泳いだのですが、その後は体がつらくてたまりませんでした。正真正銘の筋肉痛です。でも、こうやって何かに挑戦して自分の限界を知るのはいいことです。今度はここまでやってやろうという目的ができますから。」
 
拠点は海− インターナショナルな交流の場 
地中海のマルタ島で幼少期を過ごしたディビッドさんは、小さいころから海に慣れ親しんできた。旅行先などでセイリングをやっている人がいると、気軽に声をかける。船や海についての論議に花が咲くことも度々あるという。

「イギリス南海岸はもちろんのこと、地中海でセイリングを楽しむ人々はたくさんいます。行く先々で会う人々との会話で、各地域の情報を知ることもあります。また、20代に海洋漁業に関するアルバイトをした2年間に、海で様々な国籍の人に出会いました。日本人漁師たちとも仲良くなり、一緒に夕食を共にしたこともあります。スープやご飯を箸で食べるときの速度に驚きました。クロサワ映画を知ったのも、その頃です。」

1998年には、ディビッドさんは会社ぐるみで、ディンギー・セイリングの若者を対象としたナショナル・チャンピオンシップのスポンサーになったこともある。セイリングは、子供たちの教育にとっても有益であることを強調する。

「息子たちは、セイリングのおかげか、二人とも体格だけはしっかりしています。最近は、スポーツをしない子供たちも多いようですが、No Play Makes Jack a Dull Boy. というコトワザにもあるように、人間はバランスをとれた生活が重要だと思います。私の家にはテレビはありません。テレビの見過ぎは、創造力を奪ってしまうからです。テレビを見ない時間をスポーツや読書に費やすことで、頭が回転しますから、私にとってもボケ防止の意味で、よいのかもしれません(笑)。」

「これからの夢は、数え切れないほどあります。ベニン(アフリカ西部の国)に、魚の養殖業を仕事にしている友人がいます。彼は私より5才ほど若いだけですが、今でもブルドーザーを運転して、養殖場を拡大しようとしています。彼を訪ねたことはこれまでに何度もありますが、次回は長期で彼の手伝いができたらと思います。また、オーストラリアに親戚がいるので、訪問がてら、オーストラリアとニュージーランドの間にある小さな島々を船で回ることができたら最高ですね。」

さらに、ディビッドさんは、日本の海を訪ねたい旨を語ってくれた。

「日本漁業がすぐれていることは、戦後に私が海でのアルバイトをしたときからのイメージです。そんな人たちの姿をもう一度この目で確かめたい。日本語ですか? これから勉強します。実はもう、日本語レッスンの教科書とテープを購入したんです。」

夢のつきないディビッドさん。人生を精一杯生きようとする姿勢は、いつまでも変わらないようだ。