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イギリスのミドルエイジ
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イギリスのミドルエイジ 40代の場合
働く女性、母として
アイリーン・Cさん
1955年生まれ。大学で物理学を専攻。以降、技術者としてキャリアを積んでいる。現在は大学の研究室で働く一方、25年連れそった旦那様と15歳の娘さんに囲まれた家庭を支える妻、母でもある。
アイリーンさんの仕事場を訪ねたのは午後も遅くなってから。ドアを開けると、そこにはサンドイッチをほおばるアイリーンさんがいた。

「ランチを食べる時間がなかったんですよ。」

こんな風に午後の仕事の合間にサンドイッチをつまむことがしょっちゅうだというアイリーンさんの仕事は、大学の地質研究室で世界の地質を分析する手助けをすること。その他にも新しい機械の操作を学んでスタッフに教えたり、学生に分析技術を教え、課題や卒業研究の手助けをするなど多岐に渡る。

ご自分のキャリアに満足されてますか?

「はい。今の職場にはもう11年勤めています。私は大学を出てから三度職場をかえたんです。始めは核燃料の会社、次はコンピュータ会社。そしてエアコンの会社。まだ女性の技術者が珍しい時代だったから、現場にハンドバックで行って中からスパナなどを取り出したら、周りの人々に大笑いされたこともありました。技術者という職業にはこだわっていませんが、とにかく外に出ていろいろな人に囲まれて仕事をしているのが好きなんです。この職場はいつも人がいっぱいだから、退屈することがないですね。」

娘さんが生まれてからの育児中の数年間は、退職して、家と近所を早足で往復するだけの毎日。世間から隔離されているように思えて気がおかしくなりそうだったという。「働く女性」から「働く母」へ変身して復帰された職場環境はどのようなものだろうか?

「理想的な環境だと思います。私が復帰した頃には、世の中が「働く母」に理解がありましたから。大学という特殊な環境だからかもしれませんが、この研究室の主任は女性、そして副主任が私、その下に位置するのは皆男性なんです。トップの二人が女性で、しかも同じ年齢の子供を抱えていますから、家庭や子供の学校のことなどで仕事との兼ね合いをつける必要のある時は、母親同士ということでうまくカバーし合っています。」

仕事も大切だが、家族、特に子供と過ごす時間が一番大切と考えるアイリーンさんは、年に3回のホリデイや長めの週末を取るなどして、なるべく家族そろって行動するように心がけているとか。ご家庭でのよきお母さんぶりが伝わる話だが、そんなアイリーンさんは職場でも「お母さん」と呼ばれている。

「右も左も分からない状態で入ってきた新入生に、手取り足取り技術的なことを教えたり、時には様々な生活相談にのったりすることもあります。そうやって3年間一緒に過ごした学生達が、卒業式の日にご両親に紹介してくれたりするんですよ。とっても名誉なことだと思うし、『この職場を選んでよかったな』と一番思う時ですね。」

着実に築き上げたキャリアと共に、母となった女性としての人格も生きる職場に勤めるアイリーンさん。気負いのない態度とそのふっくらとした優しい笑顔を母のように慕う学生が多いというのもうなづける。
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