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パブ徘徊のススメ
パブ徘徊のススメ

ここイギリスで、例えば友達と「ちょっと飲みに行こう」となった場合、やはり圧倒的に出かける先はパブであることが多い。だが、パブで日本の赤提灯の様にテーブルに焼き鳥や豆腐の一丁が並ぶことは120%ない。

本来パブという場所はバーと違い食事もできる場所であるのだが、何故かパブで飲食している人を見かけることは少ない。例えばそのパブが満席だとしても、2−3組がフィッシュ・アンド・チップスに舌鼓を打っているか、もしくは日曜日の遅めのランチに家族連れがみんなでサンデーローストを頬ばっている以外、基本的に飲酒をするだけの場所だと思ってよい。僕は365日、毎日あちこちのパブに顔を出しているので、言い切ってしまっても問題はないと思う。

さて、そんなイングリッシュたちだって、ビールを流し込んでいる時に口寂しくなることがある。そんな時に何をつまんでいるのか?

お答えしよう。それはピーナッツなんです。この国の人間は、本当にピーナッツが好きなんです。パブで軽食をと思ったら、クリスプス(ポテトチップス)か、ポーク・スクラッチング(乾燥した豚の油揚げ)、そしてピーナッツしかない。さらに全ての商品が1人分の食べきりサイズのパッケージ。そんな中でもピーナッツは大人気。袋を広げておつまみにしている人もいれば、パブに飛び込んで来た客が、「ギネス、それとピーナッツ!朝から何も食べてないんだ。お腹空いてさぁ」と呟く。飯食えよと思わず突っ込みたくなるが、僕自身、人のことをやんや言えないのでだまって飲むことにする。ゴクッ!

で、イギリスでポピュラーなピーナッツは断然ドライ・ローステット。香ばしくて、僕もこれが好きだ。そして次に普通のローステット。これは日本でいうバターピーナツのバターを使用せず、植物油で仕上げたもの。あとは、ハニーローステットといって甘い味付けがなされたものもある。

ちなみにみんなで飲んでいる際、ピーナッツを購入した人は「ちょっとつまむ?」とまわりに声をかけるのは暗黙のマナー。相手がタバコ呑みで、自分もタバコを吸うのであれば、1本差し出すのもパブでのマナー。まわりの連中が極近い友達であれば、自分がイヤな時にはしなくてもよいが、基本的には絶対嗜好品は分け合うのがマナー。

ラウンドと言うルールも覚えておいた方がよい。おごられたらおごり返すのはマナー。3人で飲みに行ったら、2回おごられて、2杯おごる事になる。ま、このシチュエーションはローカルのレギュラーと顔見知りになったらの話だけれども…。

とりあえず、リアルエール、ピーナッツにソルトビネガー味のクリスプス、連想ゲームではないが、これがまさしくイギリスのパブを現すキーワードである。少しテクニカルに迫りたければ、ランチにラムステーキをどうぞ。その際の付け合わせはトマト&マッシュルームを焼いた物とマッシュポテト、あとグリーンピース。そして何と言っても味の足しにホースラディッシュとコールマンズのマスタードがあれば完璧です。きっとイギリスの初老の男性に「 You're too English 」と言われるはずですよ。あとはソーセージ&マッシュも一度トライしてみては…?

まあ、最近ではイギリスのパブ、特にビール工場が直営するパブでは、腕よりのシェフを集めて素晴らしい「モダン・ブリティッシュ」なる料理を出す所もあるが、近所のローカルパブで、いい歳したおっさんが、歳がいもなく熱くサッカーについて語りつつ、片手にしたピーナッツを口に放り込み、リアルエールで流し込む姿に、僕はいつも喉と腹がなるのである。です。うぷぷっ!

合掌

原マサシ

  
「パブビールのいい関係」
「イギリスのクリスプス」