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アイルランド・ファンタジー 妖精伝説
ファンタジーの傑作が多く生まれるイギリス・アイルランド。多くの作品に妖精が登場します。例えば、ジェームズ・バリの『ピーターパン』は妖精が主人公。トールキンの『指輪物語』では数多くの妖精が登場し、アイルランド出身のC.S.ルイスの『ナルニア国物語』では妖精の国が舞台です。そのほかにも絵画や絵本、タイルなどの建築装飾にも妖精の姿が見られます。またイギリス・アイルランドを旅すると、窓際や庭にさりげなく妖精人形の置物が置かれていたり、ギフトショップでは妖精のみやげ物を見かけたりすることも。イギリス・アイルランドの素晴らしい文学や芸術に大きな影響を与えた妖精伝説に迫ってみましょう。
執筆者 中村のぶ子

妖精伝説はアイルランドが発祥の地だと考えられています。妖精の起源には諸説あり、アイルランドの先住民であるケルトの神々の名残、自然の擬人化、土地の精霊、この世をさまよう死者の魂とも考えられています。その根底には、自然に対して畏れ敬う気持ち、霊魂不滅・転生思想といったキリスト教以前のドルイド教があります。

だから妖精は、キリスト教にしてみれば異教の神そのもの。しかしアイルランドでは、キリスト教が緩やかに融合されたため、多くの妖精たちが迫害を免れることができたのでした。そしてお隣イギリスのケルト文化の影響が強いウェールズをはじめ、イギリス各地でも気候、地形、人々の風俗、習慣を反映した妖精たちが生み出されていったのです。

そして何よりも妖精にとって居心地が良かったのは、彼らを受け入れてくれる人々の存在がありました。自然を愛し、「目に見えないもの」の存在を信じる。本当に豊かに生きるということ、「想像力」を持つことの大切さを知っている。そんなイギリス・アイルランドの人々の心の中だからこそ、妖精は今でも住み続けられているのでしょう。

ファンタジー(Fantasy)とは、ギリシャ語のPhantasiaに由来し、「目に見えないものを見えるようにする、視覚化すること」を意味します。「目に見えないもの」である妖精の存在を意識してみたら、日常生活が、人生が変わってくるかもしれません。もしかしたら何か見えてくるかもしれません。

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