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クマのプーさん
1.作者について
プーの作者アラン・アレクサンダー・ミルンは、1882年イギリスのロンドンで学校長の末息子として生まれました。幼い頃から作家になることを夢見ていたミルンは、ケンブリッジ大に進学すると本格的に文筆活動に入り、卒業後は父親の反対を押し切ってフリーライターになります。その後、雑誌編集に携わりエッセイストとして注目を集めるようになり、31歳で女流作家ダフネと結婚。第一次大戦下、劇作家としても名を挙げます。1920年、息子クリストファー・ロビン誕生を機に、童謡・童話を執筆。息子と彼の持っていたぬいぐるみを題材に『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』を発表し、ベストセラーになりました。晩年は闘病生活を余儀無くされ、最愛の妻に看取られながら74歳の生涯を閉じました。
 
2.物語のあらすじ
『クマのプーさん』と『プー横丁にたった家』には、各々に10話ずつお話がおさめられています。その中で、今や"World Pooh Sticks Championships"('プー棒投げ世界大会')にもなっている遊びを誕生させたお話(『プー横丁にたった家』第6話)を紹介しましょう。
ある日プーさんがマツボックリを橋から川に落としたところ、橋のこちら側から落としたのに、あちら側から出てきた。「あれ?おかしいな。」面白くなったプーさんは、大きいのや小さいのを落として、どっちが早く橋の下を通り、あちら側から流れ出てくるか試すのでした。これが、プーさんが発明して仲間といつも遊んだという“プー棒投げ”の始まりです。ある日のこと、プーさんと仲間がいつものように“棒投げ”をして遊んでいると、棒と一緒に流れてくるものがありました。なんと、イーヨーです。跳ね回るのが大好きなトラーに跳ね飛ばされ川に落ちてしまった気の毒なイーヨーを、プーさんの名案(?)でなんとか救い出したところにトラーがやってきて、ひと悶着。さて、クリストファー・ロビンの解決策は・・? 「トラーは、わるいやつじゃないんだよ、ほんとは。」とコブタ。「だれだって、そうだよ、ほんとは。」と答えるプーさんの言葉が印象的です。
 
3.作品紹介
童謡詩集も含め、「プーさんシリーズ」は全部で4巻。挿し絵は全て、E.H.シェパードが担当しています。世界25カ国語以上に翻訳、出版され、映画・ビデオ・DVD・CDなども多数。
ミルンの童謡は、子ども達に読んで聞かせると子どものからだが自然に踊り出すと言われる程、子どもの気持ちや英語のリズムを上手にとらえており、多くの詩に曲がつけられ歌われています。また、プーさんの童話は、それまでの教訓的な子どもの読み物とは異なり、親しみあるキャラクターを登場させ、様々な事件やできごとを子どもの視点でとらえて解決していく新しいものでした。彼らの軽妙な会話のやりとりは、子ども特有の世界を生き生きと描き出しています。ミルンは息子が世間的にもてはやされることを嫌い『プー横丁にたった家』を最後に、クリストファー・ロビンの本を書くことはありませんでした。これも、彼の息子への深い愛情を物語るものと言えましょう。
  1. 『クリストファー・ロビンのうた』 息子をモデルとした童謡詩集。
      'When We Were Very Young' (1942)
  2. 『クマのプーさん』 
    息子とミルンが大事にしていたぬいぐるみを登場人物にした童話。
      'Winnie The Pooh' (1926)
  3. 『クマのプーさんとぼく』 
    童謡詩集『クリストファー・ロビンのうた』の続編。 
      'Now We Are Six' (1927)
  4. 『プー横丁にたった家』 童話『クマのプーさん』の続編。
      'The House at Pooh Corner' (1928)

ウォルト・ディズニーが、1968年短編アニメ映画『プーさんと大あらし』を製作し、アカデミー賞の短編アニメ映画賞を受賞。その後も数多くのプーさんのおはなしが映画化、TVシリーズ化され、その人気は今も衰えることを知りません。

 
4.魅力あるキャラクターたち
登場人物は全て、息子クリストファー・ロビンの持っていたぬいぐるみがモデル。ここでは全員を紹介できないのが残念。
  • クリストファー・ロビン:作者息子の実名のままで登場。勇敢で賢く思いやりに溢れた少年で、森の仲間達からとても頼りにされています。
  • プー:心優しく、勇気があり、友だち思い。クリストファー・ロビンの一番のお気に入りです。ぬけたところもあるけれど、何ごとも一所懸命に考える姿はとてもいじらしい。ズシリと心に響く言葉も多く、本当はとっても賢いのかもしれない。詩を作るのが得意。
  • コブタ:プーの親友。臆病で恥ずかしがり屋ですが、優しく大きな心の持ち主。プーとコブタのやりとりには、読者の心も和みます。
  • イーヨー:陰気で物憂気、ひがみっぽく、いつも考えに耽っています。でも本当は森の仲間をとても大切に思っている。ミルン自身がモデルとの説も。
  • トラー:森一番の元気印。常に跳ね回っていて、周りに迷惑も。でも憎めない。
 
5.故郷を訪ねて
Pooh Corner プー横丁
ハートフィールド村の目抜き通りには、今から300年以上昔に建てられた白壁のチャーミングなお店がある。幼いクリストファー・ロビンのお気に入りの店で、プーのぬいぐるみを片手に1マイル離れたコッチフォード農場から毎週乳母と一緒にロバに乗り、大好きなミントキャンディを買いに来ていたという。1978年に"Pooh Cornerプー横丁'' と名付けられて以来今年が丁度25周年にあたる。店内には、絵本はもとより、世界で最も豊富な品揃えというプーさんのキャラクターグッズが溢れ、世界中からファンが訪れる。ファンならずとも、ぜひ足を運びたい。
オープン:月〜土9:00-17:00/日・祭日11:00-17:00/休業:12月25・26日及び元旦/High Street, Hartfield, East Sussex, TN7 4AE/Tel.01892-770456