特集
  ホーム特集イギリスを知りたくば童話を読め>不思議の国のアリス

 
  イギリスに関する文化、スポーツ、歴史、映画について

  イギリスを知りたくば
  童話を読め
>>  ミス・ポター
>>  ナルニア国物語
>>  ピーターラビット
>>  クマのプーさん
>>  不思議の国のアリス
不思議の国のアリス
1. 作者について
ルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)は1832年、イギリスのダーズベリで総勢11人の兄弟姉妹の長男として生まれました。成績優秀だったキャロルは、オクスフォード大在学中から特別研究員に任命され、卒業後は数学の講師として教鞭をとります。また、言葉遊びの得意だった彼は、本名の'Charles Lutwidge'をラテン語に直し、それをもう一度英語にした 'Lewis Carroll' のペンネームで多くの雑誌に寄稿しました。1862年、知人の娘アリス・リデルをモデルにした『地下の国のアリス』を執筆。これに加筆して1865年、ジョン・テニエルが挿し絵を担当し『不思議の国のアリス』が出版され、ヴィクトリア女王も愛読したと言われるほど評判になります。1871年、続編『鏡の国のアリス』を出版。本名で数学・論理学の著書も多数。1989年、気管支炎を患い65歳で死去。
 
2. 物語のあらすじ
「大変だ。遅刻しちゃう!」
夏の昼下がり、アリスの目の前を、懐中時計を片手に赤いチョッキを着た奇妙な白ウサギが走り去っていきました。
「ちょっと待って、どこへ行くの?」
ウサギを追いかけて深い穴に落ちたアリスがたどり着いた場所は、奇妙な動物達の住む不思議な世界でした。ニヤニヤ笑いとばかげた問答をしては、煙のように消えてしまうチェシャ猫。吃り気味だった著者自身がモデルの、幻の鳥ドードー。気ちがい帽子屋と3月うさぎが開く、「誕生日じゃない日」を祝うお茶会。アリス自身も食べ物を口にすると身体が伸び縮み。自分の流した涙で溺れそうになるわ、大きくなり過ぎて白ウサギの家を壊しそうになるわ、頭のおかしくなりそうなことばかりが次々と起こります。最後に迷い込むトランプの国では、誰彼かまわず「首斬り刑」を言い渡すハートの女王とクローケ試合をさせられることに。果してアリスは首を斬られてしまうのでしょうか。

個性溢れる登場人物とアリスが『不思議の国』で織りなす夢と冒険。そして何より、ルイスの巧みな言葉遊びと独特の哲学が幾重にも交叉し読む度に新しい発見のあるこの物語は、大人をも魅了してやみません。
 
3. 作品紹介
実在の少女アリス・リデルを主人公にした物語を、ルイス・キャロルは2作発表しています。『不思議の国のアリス』とその続編ともいえる『鏡の国のアリス』。
ともに “童話”の域を越え、英文学史上、後世の文筆家に多大な影響を及ぼした“古典”としても高く評価されています。世界各国語に翻訳され、映画・ビデオ・DVD・CDをはじめ、舞台でも上演。
  1. 1.『不思議の国のアリス』
      'Alice's Adventures in Wonderland' (1865)
    オクスフォード大で数学講師をしていたキャロルは友人と共に学長の娘達とピクニックに出かけました。舟遊びをしている時、当時10歳のアリスにせがまれ、キャロルはアリスを主人公とした即興のお話を語ります。お話をとても気にいったアリスに
    「今日のお話を本に書いて」と頼まれたキャロルは、自ら描いた挿し絵をつけてクリスマスにプレゼントしました。題名は『地下の国のアリス』。後に世界中の子ども達を魅了する『不思議の国のアリス』はここから始まったのです。「こんな話だったら、36万冊でも読みたいよ。」という友人の言葉に励まされ、当初出版に乗り気でなかったキャロルもついに決意。文章も加筆し、挿し絵は風刺画家ジョン・テニエルに依頼。こうして『地下の国のアリス』は『不思議の国のアリス』として1865年、マクミラン社から出版されました。
  2. 『鏡の国のアリス』
      'Through the Looking-Glass' (1871)
    『不思議の国のアリス』出版翌年の1866年夏、キャロルは、マクミラン社への手紙の中で、続編について触れています。『不思議の国のアリス』以降、次回作への期待が各方面から高まっていました。1867年に着手、1871年のクリスマスに同じくテニエルによる挿し絵入りで『鏡の国のアリス』は出版され、好評を博します。即興の物語から生まれた前作とは異なり、『鏡の国のアリス』は、チェスのルールを基に鏡の中のさかさまの世界を表現するという、想像力に富んだ構成になっています。物語の中にはたくさんの詩が詠まれ、アリスとの思い出が随所に織り込まれています。
 
4. 魅力あるキャラクターたち
全12章から成る物語の各章には、キャロルの非凡な創造力によって生まれたユニークなキャラクターが登場しますが、中でもとりわけミステリアスな『不思議の国』の住人は“チェシャ猫”ではないでしょうか。長い爪と沢山の歯、ニヤニヤ笑いの三日月形の大きな口。風貌もさることながら、どこからともなく突然現れ、身体を少しずつ消しながら目の前からいなくなったり、時にはニンマリ笑った口だけが残ったり、とそのユニークさは群を抜いています。哲学的なアリスとの問答もまた魅力のひとつ。
道に迷ったアリスが「どっちに行けばいいの?」と尋ねると、「どこに行きたいの?」とチェシャ猫。「どこに行けばいいか、わからないの」とのアリスの答えに、「じゃあ、どっちに行ったってイイでしょ」とあちこちの方向を指し示します。彼の、このいい加減さと、鋭く的をついた問答とのギャップや、神出鬼没の特性、そして全てをお見通しといわんばかりのニヤニヤ笑いが、更にその存在を印象づけているのかもしれません。
 
5. 故郷を訪ねて
Alice's Shop アリスショップ
ルイス・キャロルゆかりの街、オックスフォードならではのかわいらしいショップ。「鏡の国のアリス」にもOld Sheep Shopとして登場する古い菓子屋を改装したもので、アリスに関するさまざまなグッズが揃う。ハードカバーのアリスの本を買うと、来店日の入った記念スタンプを押してくれる。ティールームの窓から眺めるクライストチャーチの姿が印象的。
83 St Aldates, Oxford/Tel: 01865 723793(ティールームTel: 01865 200959)/Fax: 01865 726752/ http://www.aliceinoxford.net/AlicesShop.htm