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パブゲーム豆知識
Ye Old Trip to Jerusalem
ノッティンガムのパブ、
Ye Old Trip to Jerusalem
パブといえば、そこでするゲームも魅力のひとつ。ビールを片手にダーツに興じる英国人を思い浮かべる人も多いだろう。ダーツばかりでなく、パブで楽しまれているゲームには地方によってさまざまなものがあるが、代表的なものとして、プール(ビリヤード)、ドミノ、スキトルズ、クイズ、スロットマシンなどのアーケードゲームがあげられる。

だが500年前のパブでは、人々は、さいころを使った違法な賭博や、「Quoits」(クォイツ)のような屋外での輪投げ競技、また、腰を据えてじっくり取り組む「Backgammon」(バックギャモン)などのゲームに興じたようだ。バックギャモンは、11世紀にイングランドに入って来た(たぶん十字軍によってもたらされたものだろう)最も古いパブゲームのひとつ。そのギャンブル性も手伝って、またたくまに酒場で流行。これらの賭博を一掃すべく法が制定、施行されるが、バックギャモンの人気は一向に衰えることはなかった。もちろん、全てのゲームがバックギャモンのように息長く遊び継がれているわけではない。が、イギリス中東部ノッティンガムの、イングランドで最も古いといわれているパブ 『Ye Old Trip to Jerusalem』では、700年間にわたり遊び継がれて来たゲームを今も目にすることができる。「Ringing the Bull」(牛の角の輪通し)と呼ばれるこのゲームは、天井からつり下がったロープに取り付けられた金属の輪を、振り子のように揺らして離れた壁にかけられた牛の角に引っ掛けるゲーム。同様のゲームはローマ時代から遊ばれていたと言う。こうしてみると、パブゲームは何世紀にもわたって遊ばれてきたもの、と思われがちだが、実はそのほかのゲームは驚くほど最近のものだ。

たとえば 「Bar billiards」(バービリヤード)は、1930年代にベルギーから渡ってきたもの。また、「Darts」(ダーツ)は、ビール醸造者が1925年からダーツリーグを組織したのに伴い、20世紀になってパブゲームとして登場したもの。1937年、イギリス国王と女王がロンドン近郊のスラーという街の社交クラブを訪れた際、ダーツ盤にダーツを気軽に投げたことから、ダーツゲームは一躍ブームになった。イギリスのサンデークロニクル紙は『女王、英国女性をダーツ志向へ!』と報じている。一方、悲劇もある。「Puff and Dart」(吹きダーツ)と呼ばれる初期のダーツでは吹き矢を使ってダーツゲームをしたのだが、1944年、ロンドンのパブで、ひとりのプレーヤーが最も大切なルールを忘れてしまったのである。―「吸う」のではなく、「吹く」ということ― 彼は、ダーツの矢を飲み込んでしまい、可哀想に数日後に亡くなってしまった。
ゲームの紹介
  1. Darts(ダーツ)
    日本でもお馴染み。スタンダードゲームは、3本の矢を交互に投げ、持ち点(501点)を減らしていき、最初に0点にした人が勝ち。得点式でなく減点式。簡単なゲームに思えるが、技術、精神力、集中力の、まさに「3本の矢」が必要。

  2. Backgammon(バックギャモン)
    2人用ゲーム。自分の持ち駒15個を、サイコロの目と相手駒とのかけひきによって自分のインナー(陣地)に集め、全ての駒を「ベアオフ」(上がりの状態)にした方が勝ち。世界大会もある頭脳と心理のゲーム。

  3. Pool(プール)
    イギリス版ビリヤード。玉は黒1個、赤と黄が各7個、白(キューボール)が1個の計4色16個を使う。自分の色を赤または黄色に決めて自分の色玉を全てポケットに入れ、最後に黒玉を先にポケットに沈めた方が勝ち。自分の色玉がなくなる前に黒玉をポケットに入れてしまった場合はその時点で負け。単純で病みつきになるゲーム。

  4. Skittles(スキトルズ)
    現在のボーリングの前身。ピンも玉もボーリングのそれよりは小さい。ピンの数は9本。スペア、ストライクのルールはなく、得点は純粋にピンを倒した本数でカウントする。振り子でピンを倒す卓上タイプと、レーンを使ってボールを投じるタイプの2種類ある。

  5. Dominoes(ドミノ)
    Domino 日本では、ドミノ倒しでお馴染みのドミノ。もちろん、本当の遊び方は全く別。サイコロの目が左右に描かれたタイルを使って、同じ数を隣に並べていくものや、合計が6になるように並べていくものなど遊び方もいろいろだが、幼い子どもから大人まで楽しめる。早く手持ちのタイルをなくした人が勝ち。イギリスでは、どの家庭にも必ず1セットはおかれている不動の人気を誇るパブゲーム。

  6. Pub Quiz(パブクイズ)
    店ごとに賞金(賞品)をつけてクイズを出す。問題は一般常識やスポーツ、音楽、TV番組など多岐にわたる。チームに分かれて正解数の多いチームが賞金をゲット。いわゆるクイズ大会。パブクイズの本も出ている。