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007イアン・フレミングと原作小説
 007ジェームズ・ボンドの生みの親
イアン・フレミングイアン・フレミング
1990年製作の映画『スパイメーカー』を、イアン・フレミングの題材だと知って見た人は、疑いなく007ファンであるに違いない。この映画はショーン・コネリーの息子であるジェイソン・コネリーが主演している。「スパイメーカー」というタイトルが象徴するように、フレミングは前世紀、近世まれにみる「セレブ」なスパイ007を生み出した小説家だった。

ボンド役にスコットランドの俳優ショーン・コネリーが抜擢されたとき、「あの粗野な男」と口にした男がいた。その男こそイアン・フレミング(Ian Lancaster Fleming)ご当人。この発言や007の設定そのものからも容易に想像できるように、フレミングは英国国会議員の家庭というアッパークラスの出身。そういえば、ボンドといえば目くるめくリッチなシチュエーションで活躍することもしばしばだが、こうした作者自身の境遇も反映しているのだろう。

フレミングは1908年5月26日にロンドンに生まれ、陸軍士官学校卒業後、銀行や問屋を経てロイター通信の支局長(外信部長)としてモスクワに赴任し、1939年から007も所属するMI6に勤務。第二次世界大戦中には実際に安全保障調整局のスパイとして活動した。

終戦後にはジャマイカの別荘で、後の作品のタイトルともなる「ゴールデンアイ」に居住し、それまでの経験をもとに007シリーズを執筆しはじめ、1953年に第一弾となる長編『カジノ・ロワイヤル』を発表。ちなみに「ジェームズ・ボンド」という名前は愛読書Birds of the West Indiesの著者の名前をいただいたというエピソードもある。

以後フレミングは遺作となる『黄金の銃をもつ男』を校正中の1964年8月12日、心臓麻痺でこの世を去るまで、精力的に007シリーズ執筆にあたった。


 小説「ジェームズ・ボンド」シリーズ(長編)
 • 『カジノ・ロワイヤル』 Casino Royale(You Asked for It) (1953)
 • 『死ぬのは奴らだ』 Live and Let Die (1954)
 • 『ムーンレイカー』 Moonraker(To Hot to Handle) (1955)
 • 『ダイヤモンドは永遠に』 Diamonds are Forever (1956)
 • 『ロシアから愛をこめて』 From Russia, With Love (1957)
 • 『ドクター・ノオ』 Doctor No (1958)
 • 『ゴールドフィンガー』 Goldfinger (1959)
 • 『サンダーボール作戦』 Thunderball (1961)
 • 『わたしを愛したスパイ』 The Spy Who Loved Me (1962)
 • 『女王陛下の007』 On Her Majesty's Secret Service (1963)
 • 『007は二度死ぬ』 You Only Live Twice (1964)
 • 『007号/黄金の銃をもつ男』 The Man with the Golden Gun (1965)
このほか短編シリーズ、ノンフィクションあり。

 不滅の007シリーズ
ボンドは時代とともに生き続ける不滅のスパイだ。フレミングがこの世を去ってから今日まで、基本的には映画の脚本、ノベライゼーションをメインにシリーズの出版が続いている。まず、フレミングが他界してから4年後の1968年、イギリスの作家キングスレー・エイミスがフレミング夫人の許可を得て、ロバート・マーカムの名で『007/孫大佐』を出版したが評価はいまひとつ。続いて映画『私を愛したスパイ)』の脚本を書いた小説化クリストファー・ウッドは、この映画のノベライゼーションを77年に発表し、このウッドは、79年の『ムーンレイカー』の脚本およびノベライゼーション執筆を手がけた。続いてジョン・ガードナーが、81年に発表された『メルトダウン作戦』から「007シリーズ」を再開。しかしこれは、次第に映画とかけ離れた作品になっていったが評価はあがらず、96年にレイモンド・ベンソンが3代目の作家として作品を発表、6作目『007 赤い刺青の男』(2002年)で007作家を降り、現在はとある見発表の有名小説家による続編執筆が進んでいる。