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007さまざまな顔を持つ歴代ボンド
映画007シリーズは、主人公の007/ジェームズ・ボンド役として、1作目のショーン・コネリーからはじまり、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンと続き、現在は6代目のダニエル・クレイグにより演じられている。キャストも監督を含む製作クルーも作品によって変わることが多いので、新作が発表されるたびに、監督の個性とともに時代背景や風潮、映画撮影技術をよく反映して話題を呼ぶ。007のストーリーは、長らく西側諸国とソヴィエトを中心とする共産圏との確執が話の重要な核となっていたが、冷戦後はその色も薄れ、時代を切り取る現代的なスパイアクション映画としても活写されるようになってきた。


ショーン・コネリー 初代ジェームズ・ボンド(第1作〜5作、7作)
ショーン・コネリー Sean Connery
007といえばまずこの人、ショーン・コネリー。キャスティングが打診されたときには、原作者や映画会社からことごとく「荒削りで野暮」と乗り気でなかったというが、そこを監督のテレンス・ヤングがコネリーを私たちが知る洗練されたジェントルマンに仕上げた。そのインパクトの強さやセックスアピールは原作ボンドを凌ぐまでに世界で大ヒット。一度見たら忘れない、渋くて甘いマスクのコネリーは、まさしくボンドを世界へ広めた立役者である。
第1作 007 ドクター・ノオ / DR. NO ('62)
第2作 007 ロシアより愛をこめて / From Russia with Love ('63)
第3作 007 ゴールドフィンガー /Goldfinger ('64)
第4作 007 サンダーボール作戦 / Thunderball ('65)
第5作 007 007は二度死ぬ / You Only Live Twice ('67)
第7作 007 007ダイヤモンドは永遠に / Diamonds Are Forever ('71)

ジョージ・レーゼンビー 2代目ジェームズ・ボンド(第6作)
ジョージ・レーゼンビー George Lazenby
オーストラリア生まれでモデル出身のジョージ・レーゼンビーは、ショーン・コネリー降板後に原作が忠実に再現された『女王陛下の007』一作のみに登板。この作品はSF色が強くなっていたシリーズが軌道修正しようとする試みが強く、ボンドの生涯で1度だけとなった結婚、それに新妻トレーシーの死など悲劇的な展開を一つの作品にまとめあげたのも、レーゼンビーが持つ繊細な雰囲気あってこそ。
第6作 007 女王陛下の007 / On Her Majesty's Secret Service ('69)

ロジャー・ムーア 3代目ジェームズ・ボンド(第8〜第14作)
ロジャー・ムーア Roger Moore
ショーン・コネリーの「後釜」的レッテルを貼られがちなロジャー・ムーアだが、そのスマートで脚が長く洗練された容姿、そして貴公子的雰囲気の3代目ボンド・ロジャー・ムーアは女性ファンも多く獲得。70年代〜80年代にかけての時代を反映させ、大掛かりなスペクタクル・アドベンチャーでスマートなボンド像を構築し、迫力のあるエンターテインメントとして大成功を収めた。ムーアが登場する作品は意外にもショーン・コネリーより多い7作と、その人気振りを物語る。
第8作 007 死ぬのは奴らだ / Live and Let Die ('73)
第9作 007 黄金銃を持つ男 / The Man with the Golden Gun ('74)
第10作 007 私を愛したスパイ / The Spy Who Loved Me ('77)
第11作 007 ムーンレイカー / Moonraker ('79)
第12作 007 ユア・アイズ・オンリー / For Your Eyes Only ('81)
第13作 007 オクトパシー / Octopussy ('83)
第14作 007 美しき獲物たち / A View To a Kill ('85)

ティモシー・ダルトン 4代目ジェームズ・ボンド(第15〜第16作)
ティモシー・ダルトン Timothy Dalton
ロジャー・ムーアの次に現れたのは、由緒あるシェイクスピア劇で高い評価を得ていた実力派ティモシー・ダルトン。その役どころは舞台俳優らしく徹底的に研究し、前任の作品による壮大なスペクタクル劇とは一転して、いっそう原作に近いイメージのボンドを好演した。故ダイアナ妃からは「原作にもっとも近いボンド」と絶賛されるなど、これまで折々に「やりすぎ」感のあるボンド作品を、再び人間味ある“英国的”スパイ作品へと引き戻した。
第15作 007 リビング・デイライツ / Living Daylights ('87)
第16作 007 消されたライセンス / License to Kill ('89)

ピアース・ブロスナン 5代目ジェームズ・ボンド(第17作〜20作)
ピアース・ブロスナン Pierce Brosnan
つい最近までボンドといえばこの人のイメージで、紳士的かつセクシーでワイルドという三拍子そろったボンドを好演。007映画といえば、主に冷戦時代の共産主義と戦うことが物語の筋が常套手段だったが、ブロスナンは冷戦後の新しい時代を生きるボンド像を見事に作り上げた。アクションのキレもこれまでの俳優髄一と評価が高く、かつあきのこない軽妙な映画づくりで興行的にも大成功。コネリー以来最高のボンドとして賞賛された。
第17作 007 ゴールデンアイ / Goldeneye ('95)
第18作 007 トゥモロー・ネバー・ダイ / Tomorrow Never Dies ('97)
第19作 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ / The World is Not Enough ('99)
第20作 007 ダイ・アナザー・デイ / Die Another Day ('02)

ダニエル・クレイグ 6代目ジェームズ・ボンド(第21作〜 )
ダニエル・クレイグ Daniel Craig
大成功を収めたピアース・ブロスナンからバトンタッチされたダニエル・クレイグ。起用当時は、いわゆる「金髪碧眼」の俳優でつとまるのかなどと囁かれていたクレイグだったが、封切後は迫真のこもったアクションと21世紀型の人間味のある演技で高い評価を獲得。2006−07年公開の「007カジノ・ロワイヤル」では、シリーズ最高の興行成績をまい進する立役者に。007に新境地をもたらした稀有な俳優クレイグは次回作の出演も決定している。
第21作 007 カジノ・ロワイヤル / Casino Royale ('06)