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初等教育から高等教育まで
イギリスの教育制度は複雑で、またイングランド・ウェールズとスコットランドでは若干違う。ここでは、特にイングランド・ウェールズのごく一般的なシステムに絞って概観する。

学校の1年は9月から始まり、秋ターム(通常9月から12月半ばまで)、春ターム(通常1月から3月半ば又は下旬まで)、夏ターム(4月初旬又は中旬から7月半ばまで)の3ターム制で、各タームの間に数週間の休みがある。

初等から中等教育までの仕組み
<公立学校の場合>
イギリスの公立学校は、基本的に資金面では政府が管理面では地方自治体が担当している。授業料は無料で、教科書、ノート類も基本的には支給される。学校の教育方針の決定は国のカリキュラムの他に、校長に大きな権限が与えられているため、一口に「公立学校」といってもそのカラーは学校毎にかなりの違いがあり、伝統ある私立学校に負けない質の良い教育と進学率を誇る公立学校もかなりある。

・Infant School/First School (初等教育)
Primary Schooolと呼ばれることもあり、日本の小学校に当たる。統一の入学式という ものはなく学期毎に生徒を受け入れていて、児童が5歳の誕生日を迎えたらその次の学期の始めから入学することが可能。国のカリキュラムは「Key Stage」と呼ばれる段階 に分かれていて、5歳から10歳までの間にKey Stage1と2を修了する。この間、英語、算数などの基本教科の他、コンピュータなどを学ぶ。

・Secondary/Upper School/Grammer School (中等教育)
10歳(Year 6)の修了近くになったら、生徒はSecondary School(又はUpper/High School) を選択して、希望の学校に出願、入学する。

通常入学試験はないが、自治体によっては「セレクションテスト」という選別テストを行って、そのテストで良い成績を残した生徒だけが進学できるGrammer Schoolがある地域もある。しかしこの制度は古くて差別的ということで、最近はComprehensive Schoolとして、希望者は選別テストなしに義務教育を修了できるように変更している自治体が多い。

11歳(Year 7)から始まる Key Stage 3では、生徒は基本教科とされている英語、数学、第2外国語などの他に地理、歴史、美術等を選択科目として取る。そして14歳(Year 10)からは、GCSEに向けた2年間のカリキュラムに沿って学習する。

<私立学校の場合>
イギリスの私立学校は「Independent School」と呼ばれ、日本でも御馴染みの「Public School」と呼ばれる学校はこのカテゴリーに入る。Public Schoolの厳密な定義というものはなく、一般的には「歴史のある全国的に名前の通った学校」として知られている。歴代王室、貴族階級の子弟の多くが通う「Eaton School」「Harrow School」はこの Public Schoolの代表格だ。

教育内容やシステムは基本的に公立学校と同じだが、年齢による学年区分や学年の呼び名が異なることが多い私立学校、中でもPublic Schoolの多くは、男子校なら13歳から18歳、女子校なら11歳から18歳の年齢の生徒に絞った教育をしている。この中には、学校内の寮で日常生活から学校生活まで全てを共にするBoarding School(寄宿生学校)も多く含まれている。多くのBoarding Schoolでは、寄宿制度を生かして、主要学科教育の他に人格教育を目的としてクラブ活動、社会活動などの時間を多数設けている。

・Preparatory School (初等教育)
基本的に私立の初等教育機関は「Preparatory School」と呼ばれるが、内容は5歳から13歳まで一貫教育する私立学校や、13-18歳のための学校のジュニア部のような学校、低学年のみ、高学年のみ数年間といった学校もあり多種多様だ。カリキュラムも、国のカリキュラムを参考にしながら独自の方法で進めているところが多い。

・Senior SchoolとSecondary/Upper School
公立学校のシステムでSecondary School進学に当たる11歳からの2年間は、私立学校 ではSenior Schoolと呼ばれるところもある。13歳からの学校システムは、公立学校同様Secondary/Upper School と呼ばれる。

13歳からパブリックスクールのSecondary/ Upper School に入学する場合(公立学校出身者が私立学校へ変更することも可能)、Common Entrance Examinationという私立学校の共通入学試験を受けなければならないこともある。Secondary/Upper Schoolでのカリキュラムは公立学校とほぼ一緒で、14歳からはGCSE受験を念頭に勉強し、16歳で受験する。

高等学校教育の仕組み
イギリスでは日本の高等学校にあたる学校を、公立、私立学校問わずに一般に「6th Form」と呼ぶ。6th Formの主要目的は、A Levelを受験することにあり、その期間は2年間。6th Formには様々なタイプの学校があり、主要なアカデミック科目に限って学ぶことのできる「6th Form」の他、実学的な科目も学ぶことのできる「6th Form College」や「Tutorial College」(私立学校)がある。

多くの公立、私立の Secondary/Upper Schoolは6th Formのコースを併設しているが、他のカレッジに進む生徒もいる。一般的に私立学校の方が生徒の受け入れにはフレキシブルな体制をとっていて、公立学校の場合はGCSEの結果が悪ければ入学を許可されない。

A Levelでは、カリキュラムの1年目を修了時にASレベルの試験を受け、2年目の修了時にA2レベルを受けるのが一般的だが、必ず2つの試験を修了しなければいけないという規則はない。大学進学を志す場合は、A2レベルを終える必要がある。

大学入学への道
イギリスの大学教育は「Higher education」と呼ばれ、通常A Levelより上の教育課程を示す。入学は、A Levelの結果に左右されることが大。そのほか、BTEC HND (Higher National Diploma)とFoundation Degreeは学士課程につながる前段階のような資格で、これらのコースを修了すると学士課程に編入を許されることが多い。

Higher ducationの学位(Degree)コースを持つ教育機関はUniversity(大学)や University collageなどが主だが、他にもFurther education collageや王立園芸協会のような団体が独自に学位コースを設けていることもある。この場合他の大学と提携してその大学のプログラムを提供することが多く、学位はその大学から授与される。またイギリスの大学は、唯一の私立大学であるUniversity of Buckinghamを除けば全て公立だ。イングランド・ウェールズの大学の学士課程は通常3年間。